なぜ『腰回し』で骨盤が締まるのでしょう? ちょと勘違い・・・

なぜ『腰回し』で骨盤が締まるのでしょう? ちょと勘違い・・・

『腰回し』による痩身効果を検証する

当社に「なぜ『腰回し』で骨盤が締まるのか?」という質問を受けましたが、これは難しい質問です。一口に『腰回し』といいましても実際には様々な回し方があり、特別な例を除き、「腰回し=骨盤の引き締め」では無いからです。ご質問者が「腰回し=骨盤の引き締め」と思われたのは他のコーナーで紹介した事があるスリムロイナーに関連していました。

当社が他のページで紹介したスリムロイナーが行うエクササイズは、一般的に知られる「腰回し」運動ではなく、スリムロイナー専用エクササイズなので今回の答えには当てはまりません。一般的に知られる「腰回し」は、「捻るようにして回す」のが基本的な動きになります。これは膝の屈伸を伴うことで、股関節の稼動域を超えないようにしたり、膝への負担を減らすためです。

対してスリムロイナーのエクササイズは、『旋回』する様にして腰を回します。ここでは詳しく触れませんが、この方法は、骨盤を中心とした腰回り、太もも、ウエストに対し複雑なストレッチを一度に行うもので、かなり特殊な動きであると言え、各関節が稼動域を越えない様に、必ずスリムロイナーを装着する必要があります。そのため現在でも、スリムロイナーを用いる以外では一部の自力整体、中国本土での太極拳(日本では見かけません)の一部を除いて、ほとんどお目にかかることのない特殊な動作です。

さて、そうした特殊な例は横に置きまして、一般的な『腰回し』について考えてみます。

現在、ダイエットという位置付けで腰回しエクササイズが流行っています。ここでいう腰回しとは、次の様に行うものを指します。

A-1腰に手を当て、足を肩幅(腰幅)に開き、ヒザを曲げて腰を落とします。

A-2肩を軸にして、胸部から下を使い、主にウエスト部分を捻るようにして腰をグルグルと回転させます。
※このとき、ヒザの屈伸を使い、ヒザ頭を上手に前後させると、股関節やヒザにかかる負担を和らげ、上手く回せます。

よく腰を回しているつもりでヒザを回している人がいますが、ヒザは前後に動かし屈伸させるのがコツです。

上記の方法は、フラダンスの動きに良く似ています。フラダンスが発祥とも、そもそも別系統から発祥したものが、たまたまフラダンスの動きと似ていたとも言われていますが、エクササイズの分野では、フラ、ベリーダンス等に見られます。もう一つの方法は、最近お馴染みのコアリズム・・・に、ちょっと似た動きで。基本となる腰の動きは次の様になります。

B-1腰に手を当て、足を肩幅(腰幅)に開き、ヒザを曲げて腰を落とします。

B-2左右どちらかの足を半歩前に出します。

B-3主にウエスト部分を捻るようにして腰を回転させる方法は先のものと同じですが、半歩前に出した足の方向に向かって、腰を突き出すようにします。Aタイプは腰で円を描き、こちらのBタイプは楕円を描くようにします。
※ヒザの屈伸を上手に使うのは同じですが、実は腰回しで正確な円を描くのは難しいので、片足を前に出して楕円を描くようにする事で、腰を回しやすく、尚且つ腹斜筋に強く働きかけます。

ここに書かれた内容は、胸部下(バストの下辺り)から、ウエストにかけての引き締め効果が高いので、この文章から実践することが可能でしたら挑戦してみるのも良いと思います。何れも、昔からある基本的なエクササイズの応用です。

さてさて、ここで注意点です。こうした一般的な腰回し方法(上記A,B)では、ウエストは引き締めることが出来ますが、実は骨盤は締まりません。むしろ骨盤を整えるために一旦緩める動作であるため、開く可能性があります。更には、腰を落として行いますので、ウエスト以外では自転車漕ぎやスクワットなどで使われる筋肉が主に使われます。そのため下半身の筋力は強化されますが、腰回りや太ももを細くするという目的には不向きなのです。

こうした腰回し運動は、元々様々なストレッチが組み合わさった総合的なエクササイズの中から、ウエストを引き締める動きだけを抜粋したものなので、本来ならば、腰を回してウエストを締めた後は反対の動きを取り入れることで、一旦緩ませた骨盤を締めて、続いてそうした動きのために緊張してしまった太ももの筋肉をリラックスさせて、というように、他の動きを一連の動作として組み合わせることで、腰回り全体を整えることが出来ます。テレビや流行、伝聞の影響から、腰回しだけが注目されていますが、このように、意外と知られていない盲点がありますので、うっかり続けて下半身太りにならないように気をつけなければなりません。

因みに、上記A.Bといった一般的な腰回しの際に、ベルト類を使用する事は避けて下さい。基本的に腰を落とした状態での腰回しでは、補助具の使用は避けるべきです。特に、ゴムバンド等の伸縮性のあるものを巻いていたりすると、骨盤を緩めようとする動きと、外から閉めようとする力が干渉し合い、返って思わぬ歪みを生んでしまうことがあります。

目先の効果や、流行に捕らわれず、正しい身体の動かし方を実践して下さいね。

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