産後や高齢者に多くなる尿失禁対策について

産後や高齢者に多くなる尿失禁対策について

尿失禁の概略と対策

フィットネスの現場から尿失禁に関する質問が寄せられています。

尿失禁の経験や悩みを抱えている女性は、統計では20代の40%、30代で約半数、50代になると60%を超えるとも言われています。また高齢になるほど男性の割合も増えてきます。ほぼ2人に1人は同じ悩みを持っていると言っても過言ではないので、恥ずかしがらずに先ずは専門医に相談することが最良の選択肢なのです。しかし実際には、相談する機会を逸したまま悩み続けている方、特に女性が多い様ですので、ご質問を機に、少しでも何かの参考になればという思いから、説明したいと思います。

一口に「尿失禁」と言っても、実は多種多様な例があります。まず大きく「真性尿失禁」と「仮性尿失禁」に分けられます。

真性尿失禁

真性であった場合には基本的に手術療法が用いられます。無用な投薬や自己流の対処療法を続けても効果が見られることは殆どないので、真性を疑う場合には、まず医師に相談することが重要なのは言うまでもありません。時々鍼などの東洋医学による治療法で改善された例もあるようですが、真性治癒との因果関係は定かではありません。

仮性尿失禁

仮性の場合、更に細かく分類されます。「溢流性」「切迫性」「反射性」「機能性」「腹圧性」などがあり、それぞれの原因は神経性、精神性、機能性等に起因し、排尿のコントロールが上手く出来なくなるという症状に対し、投薬や刺激による継続的な治療が必要となります。既にインターネット上には多くの情報がありますので、この場では、それぞれの詳細については割愛させて頂きます。

最も多く見られる「仮性・腹圧性尿失禁」

ごく一般的に多く見られるのが「腹圧性尿失禁」で、出産や肥満、体力の衰え等により骨盤底筋群が緩むために起こるとされています。症状としては、「くしゃみ、大笑い、重いものを持ち上げる等の動作で、一時的に普段より腹圧が上がった際に尿漏れを起こしますが、日常の排尿は自分の意志で出来ます。

「腹圧性~」の治療(対策)法は「骨盤底筋群の強化」が最も有効です。時々、強いサポーター等の着用や投薬によって改善された、という話しが出ることがありますが、実際にはサポーターや投薬の働きによるものではなく、治療(対策)と思って続けているうちに、骨盤底筋群が自然に回復したに過ぎません。

誤った治療(対策)において気を付けたいのは、サポーター等で骨盤下位を締め続けるうちに骨盤底筋群が自然回復した場合です。骨盤低部が外圧によって締まることで、一時的な回復の兆候が見られますが、依然として骨盤底筋群の緩みが改善されたわけではありませんので、再発の可能性は高いままとなっています。

また症状は「腹圧性~」なのに、骨盤底筋群の強化だけでは改善し切れない場合があります。この場合「切迫性~」と同時に起きている可能性があります。

対策としての提案

効果的な対策は筋力トレーニングということになりますが、高齢の方だとなかなか思うようにトレーニングをする事は難しいと思います。まずはお近くのフィットネスジムへ行かれて、効率的なエクササイズなりストレッチを教えてもらうのが良いでしょう。

「腹圧性~」の対策には基本的にストレッチが有効です。そのストレッチと同様の効果を得る時間を、10分の1にまで短縮できるという点で、また同時に骨盤を引き締めて保つための筋力も補えることからも、「腹圧性~」対策であれば、当社で紹介した事があるスリムロイナーの活用も有効かも知れません。但し、他の症状と重複していた場合は必ずしも一つの方法では改善し切れない場合があります。ここでお話ししたのは、一般に「腹圧性~」である場合が多いのも事実なので、それに基いています。補助具を活用するのであれば、万全を期すつもりで使用されることをおすすめします。

 

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