EMSでは、もしかしたら・・痩せることもあるかも知れない?

EMSでは、もしかしたら・・痩せることもあるかも知れない?

EMSダイエットの効果について

EMSというダイエットマシンの存在をご存知でしょうか?電気的な刺激によって筋肉を動かし、寝ながらでも運動をしたのと同じ効果が得られる(かも知れない)という夢の様な機械です。ただし、ここではブルブル振動するだけで単にEMSという呼び名だけを使用しているものは除外して話しを進めます。

振動する機械をEMSと称するのは事実誤認を招き、詐称行為に当る可能性があります。

さてそのEMSダイエットマシンについてですが、従来の家庭用マシンは2~3万円で入手可能でしたが、実際には効果が無いと不評だったことから業務用と称したものが登場し7~8万円で販売されていました。しかし価格が高すぎて売れなかったのか、実際には4~5万円で購入できるようになり、なおも値下がりを続けています。

そもそも、市場の動向によって値段が上下するものは「機能面」でおすすめできませんが。

EMSとは、Electrical Muscle Stimulation のことであり、元々は研究用に開発されたものです。その研究内容は、脳神経系の電気刺激を省略し、筋肉に直接電気刺激を与えることで筋肉の動きを観察しようとするものです。

ところが、実際に研究で使用されるEMSは数百万円もする上に、その機械の最大出力で筋肉に電気を通したとしても、実際に動かせる筋肉量は普通の運動時の30%程度しかありません。しかも、実際に生きている人間に最大出力で電気を通したとしたら耐え難い痛みを伴い、皮膚の表面に火傷痕を残してしまいます。故に研究用、実験用なのです。

この研究用EMSに着目して開発され、実際に運用されているのがリハビリ用EMSです。こちらは、脳神経系統の疾患や関節障害により、筋肉は有るのに運動に支障きたしてしまった場合などに、衰えてしまった筋肉の回復を目的として使用されます。また身体に障害を負った以外にも、スポーツ選手の故障を助けたりするためにも使用されています。

リハビリ用EMSは、出力を落とし安全性を考慮したものになっていますが、やはり多少の痛みは伴い、場合によっては皮膚に痕を残す事もあります。それでも、リハビリの現場では重度の障害に対しては実際に効果を上げています。 何らかの原因で動かなくなってしまった筋肉に、電気刺激による動くキッカケを与えているのです。

そうしたリハビリで使用されているEMSに注目し、「EMSを使えば勝手に筋肉が動くから、他に何もしなくても筋力増強が図れるのでは?」という考えに基いて生まれたのが、ダイエット用EMSマシンなのです。

※ 古くはあのブルースリーも広告塔として一役買ったことがあるくらい歴史ある一面も持っています。

でもちょっと待って下さい。

歩行が困難なほど筋力が衰えてしまった方が、リハビリ用EMSを使用して歩行を回復されたとしも、EMSの使用だけでそれを実現したわけではありません。痛みを伴うほどのEMSであっても、それは筋肉に「動かし方」を学習させているようなもの。実際の歩行回復、筋力回復は自己努力によるものです。つまり、実際に活用され効果を上げているEMSというものは、ダイエットとは無関係なのです。

実際に、EMSだけを使用しても脈拍や呼吸数に変化は見られません。それはつまり、身体が要求している酸素量が変わらないということで、脂肪が燃焼することもありません。

以上は業務用機、リハビリ用機での話しです。10万円以下で購入できる家庭用EMSではどうでしょうか。

EMSによる脂肪燃焼は有り得ないとして、低出力の家庭用でも長期間使用すれば、例えわずかでも筋肥大を起こすかも知れない・・・という可能性は残されます。そして筋肉が増えれば、結果として脂肪燃焼効率も上がるのではないかと推測はできます。EMSは、実験やリハビリでは優れた機械として、トップアスリートが休養中に筋肉が硬くならない様にメンテナンスを行う用途も認められつつあります。 しかしダイエット目的となると、僅かな可能性も推測の域を出ないのが現実です。

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